パテ埋めから塗装までの工程を詳しく紹介
車のキズやヘコミを修理する鈑金塗装は、単に色を塗り直すだけの作業ではありません。実際には、見た目を元通りにするために複数の工程を丁寧に積み重ねる必要があります。とくに「パテ埋めから塗装まで」の流れは、仕上がりの美しさを左右する重要なプロセスです。
ここでは、一般的な鈑金塗装工場で行われている工程を、できるだけわかりやすく解説します。
1. 下地づくりの第一歩「鈑金作業」
まず最初に行われるのが、ヘコミや歪みを元の形状に近づける鈑金作業です。専用の工具を使って金属を引き出したり叩いたりしながら、できる限り自然な形に整えていきます。
この段階でどれだけ正確に形を戻せるかによって、その後の作業の難易度や仕上がりが変わってきます。完全に元通りにするのは難しいため、次の工程で微調整を行います。
2. 表面を整える「パテ埋め」
鈑金だけでは修正しきれない細かな凹凸を埋めるために使われるのがパテです。粘土のような素材を薄く塗り、乾燥後に研磨して表面を平らにしていきます。
パテ作業は見た目以上に繊細で、厚く盛りすぎるとひび割れや痩せの原因になり、逆に薄すぎると凹凸が残ってしまいます。そのため、数回に分けて塗布と研磨を繰り返すことも珍しくありません。
また、この工程では手の感覚も重要です。目で見るだけでなく、触れて確認しながらわずかな歪みを修正していきます。
3. 塗装前の重要工程「下地処理(サフェーサー)」
パテで形を整えた後は、そのまま塗装するわけではありません。次に行うのが下地処理です。一般的には「サフェーサー」と呼ばれる下地塗料を吹き付けます。
サフェーサーには、細かなキズを埋める役割や、塗料の密着性を高める役割があります。また、下地の色を均一にすることで、最終的な発色を安定させる効果もあります。
この工程でも乾燥後に研磨を行い、塗装に適した滑らかな状態に仕上げていきます。ここでの仕上がりが粗いと、そのまま最終塗装に影響してしまうため、非常に重要な工程です。
4. いよいよ本番「上塗り塗装」
下地が整ったら、いよいよ塗装工程に入ります。一般的には「ベースカラー(色)」と「クリア塗装」の2層、または3層で仕上げていきます。
塗装は専用のスプレーガンを使用し、均一に塗料を吹き付けていきます。このとき重要なのは、塗料の量やスプレーの距離、動かし方などを適切にコントロールすることです。
一度に厚く塗るのではなく、薄く何度も重ねることでムラのない仕上がりを目指します。また、ホコリの混入を防ぐために、専用の塗装ブースで作業を行うのが一般的です。
5. ツヤと耐久性を決める「クリア仕上げ」
ベースカラーの上から透明なクリア塗料を重ねることで、ツヤと保護性能を高めます。このクリア層があることで、紫外線や雨風から塗装面を守る役割も果たします。
クリア塗装後はしっかりと乾燥させる必要があり、専用の乾燥設備を使って硬化させることが多いです。この乾燥が不十分だと、後からトラブルが起きる原因になるため、時間をかけて丁寧に行われます。
6. 最終仕上げとチェック
塗装が完了した後も、すぐに納車されるわけではありません。最後に行うのが仕上げと最終確認です。
細かなゴミやブツが付着している場合は、研磨や磨きによって表面を整えます。さらに、光の当たり方を変えながら色ムラや違和感がないかをチェックし、問題がなければようやく完成となります。
鈑金塗装は一見シンプルに見えますが、実際には多くの工程を経て仕上げられています。特にパテ埋めから塗装までの流れは、見えない部分の積み重ねが品質を左右する重要なポイントです。
修理を依頼する際には、価格や納期だけでなく、どのような工程で作業が行われるのかにも目を向けてみると、仕上がりへの理解が深まるでしょう。丁寧な工程を踏んだ修理ほど、長く満足できる結果につながりやすいと言えます。
